2012年7月5日木曜日

スターバックス Free Wi-Fi スポット接続サービスはビッグデータ・マーケティングの布石と成り得るか


既にご存知の方も多いだろう。7月2日から、スターバックスでFree Wi-Fi スポット接続サービスが開始された。
無料のWiFiスポット自体は珍しくは無い。キャリアが増加するスマートフォントラフィックの対策としてデータオフロード目的で各社競って展開しているためだ。しかし、そういったデータオフロード目的のWiFiスポットの多くは特定のキャリアのみ利用可能というサービスが多く、WiFiスポットの縄張り争いが起きていた。
今回開始されるスターバックスのWiFiスポットは、キャリアフリーとなっているため、契約しているキャリアがどこであっても利用可能だ。このステッカーが貼っている店舗であれば快適なWiFi通信が行える。

■接続にはユーザ登録が必要

接続するためには、事前にユーザ登録を行なっておく必要がある。下記URLからメールアドレスとパスワードを登録するだけで、ユーザ登録は完了する。

https://service.wi2.ne.jp/wi2net/SbjReg/2/?locale=jp

ユーザ登録完了後、「SSID:at_STARBUCKS_Wi2」のWiFiスポットを選択する。その後、ウェブブラウザを起動すると、登録したユーザ名とパスワードを入力する画面が現れるので、ユーザ登録に利用したユーザ名とパスワードを登録することで、WiFiが利用可能になる。

■ウェブ認証方式の利点

一見、手続きがめんどうに見える、このスターバックスの認証方式はウェブ認証方式と呼ばれる手法だ。接続するためにはWiFi選択と、ユーザIDの入力が必要なので、ユーザ視点では煩わしく思う人も多いだろう。しかし、この方式にはユーザから見ても実はメリットがある方式なのだ。
通常のキャリアが提供しているWiFiスポットはMACアドレス認証を利用している物が多く、この方式であれば契約キャリアのWiFiスポット配下に移動すれば自動的にWiFiが利用可能になる。一見便利なこの方法だが、多くのWiFiスポットがこの方式で展開されているため、WiFiと3Gが交互に切り替わり通信が不安定になるケースや、WiFiスポットを頻繁に検出するため電池の消耗が早くなるデメリットも存在する。
スターバックスのウェブ認証方式では意図的にWiFiスポットに接続しなければ利用可能な状態とならないため、前述したような状態を回避することが可能だ。

■ウェブ認証方式の店舗側から見た利点

 ・CRMを実現可能に
 現在の所、スターバックスは公式にアナウンスしていないが、恐らく今後の展開としてCRM機能が提供されるようになると筆者は予測している。毎日のように膨大な数のスターバックスファンが店舗を訪れるが、スターバックスはその店舗に訪れた「人」を把握することは出来ない。
 WiFiスポットを提供し、ユーザIDとパスワードを登録することで、いつ、どこに、誰が、店舗を訪れていたのかを把握することが可能になる。ビックデータ・マーケティング時代の布石となるのでは無いだろうか。
 ・WiFi利用時間に応じた課金の実現
 これも現在の所は、利用時間に関する制限は無いが、ID管理することで、接続開始からの接続時間をカウントすることが可能だ。初めの30分は無料だが、その後一時間単位で課金というような従量課金が開始されれば、飲食物のみならずネットカフェのようなサービスを提供することも可能になる。

■飲食店もCRMを導入する時代が訪れる

スターバックスが行うかどうかはわからないが、今回のようなユーザIDを利用したウェブ認証方式のWiFiスポットが普及することで、CRMをクラウド経由で提供することが可能になる。
スターバックスクラスなら自前でCRMのシステムを構築することは難しくは無いだろうが、地元の商店街の飲食店クラスではそういったノウハウも無ければ、資金的にも難しい。しかし、もし、WiFiスポットを設置することでキャリアが提供するCRMクラウドを格安で利用可能となれば、店舗側から設置して欲しいと望む動きも現れるかもしれない。
今後、単にデータオフロードのためのWiFiスポットが、収益向上に繋がる「人の集まるスポット」へと発展し、ビッグデータ・マーケティングの布石となっていくだろう。

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